清光堂

2023/03/03 21:59



せっかく買った鉄瓶。お手入れせずに使ってしまうと、長持ちしなくなるし、体に害が及ぶ可能性もあります。


今回は大切な鉄瓶を長く愛用していただくために、専門家がお手入れ方法の解説をしていきます。


鉄瓶を使い始めるときにやるべきこと

まずやるべきは鉄瓶の慣らしです。


弊社でお勧めしている慣らしは、市販している硬水、ミネラルウォーターで煮込む方法です。1時間ほど煮込み、これを2~3回繰り返し中が白くなったら慣らし完了です。これで美味しい白湯になります。


鉄瓶を使用した後のお手入れ

使用後、鉄瓶が熱いうちにお湯を空けることにより安全に乾きます。


ちなみに、一旦冷めてから再加熱し乾かすと忘れて空焚きをされる方が多いです。空焚きをすると、内外の漆が焼け落ち、水漏れやお湯が濁る原因になるので注意しましょう。


鉄瓶を長く使い続けるためのお手入れ方法

ご使用後の乾燥が肝心です。乾かして保管する事により何年後の再使用も可能です。


出来ればオールシーズン使用するのがお勧めで、毎日使用で50年持ちます。


以前、高齢のご夫婦の方が「鉄瓶底に穴があいてしまったのですが、何とか修理出来ないでしょうか?」と鉄瓶を持ち込まれました。


話を聞いてみると、結婚祝で頂いた鉄瓶を毎日使い続け50年経ったとのこと。たくさんの思い出が詰まった大切な鉄瓶のようで、確認すると弊社で造った金銀象嵌入りの立派な鉄瓶でした。


通常修理不可の状態でしたが、金婚式を迎え記念の品物であり何とか使いたいとの事だったので、鉄破片を利用し穴をふさぎ、漆で固め、再度使用できるように直したところ、とても喜ばれました。


(修理前)



(修理後)


鉄瓶にサビが出てきた場合のお手入れ

お湯が濁らない程度のサビ(湯垢)であれば全く問題はありません。むしろ鉄分が溶け出して、まろやかで美味しいお湯を飲むことが出来ます。


ただお湯が濁すほどのサビであれば、そのままにしておくのは得策ではありません。


粉茶で煮込むとよいと昔から言われていますが完全ではないので、お湯が濁る場合は焼き直し(金気止め)が必要です。


こちらは専門業者でないと行えないので、もし上記の場合は弊社もしくは専門業者に依頼するのをおすすめします。


まとめ

今回は鉄瓶のお手入れ方法についてお話しました。


大切な鉄瓶を長く愛用するために、日常的にできるお手入れからやっていくと良いでしょう。


また、もしもお湯が濁るほどのサビが出てきた場合は、ぜひご相談いただければと思います。

せっかく買った鉄瓶。お手入れせずに使ってしまうと、長持ちしなくなるし、体に害が及ぶ可能性もあります。


今回は大切な鉄瓶を長く愛用していただくために、専門家がお手入れ方法の解説をしていきます。